木原ひとみさんインタビュー|その人がその人を生きてほしいという願い
東京の人材会社に勤務し、主に中途採用で働きたい人の支援や企業の求人広告の支援に関わっている木原ひとみさん。
社内のキャリア支援活動では小中高大学生に対して「働くとは?」「自分の価値観について」などのワークを行うなど、キャリア教育にも熱心に携わっている。
そんなひとみさんの人生のステートメントから見えてきたもの、それは’’その人がその人を生きてほしい’’というひとみさん自身の願いそのものでした。
「本当の自分を生きていない気がする」
「自分のやっていることに統一感がなくてモヤモヤしている」
そんな方は、ぜひこの記事を参考に、自分の人生と向き合うヒントをつかんでみてくださいね。
’’今の自分’’に立てていられる感覚がある。
あらためまして、今回のインタビューをさせていただく方は、「木原ひとみさん」です。
ひとみさんは、人材会社に勤めながらも、個人で植物療法のカウンセリングを行う他、「対話」を通じて、自分と他者、そして世界とに関わることを目的としたOIC(小布施インキュベーションキャンプ)の事務局を勤めるなど、その活動は多岐に渡っています。
’今の自分である’’そこに立てている実感があります。会社の目標設定などでもライフジャーニーを語って内省する場がありましたが、そこでは「将来何をやりたいのか?」が軸になり、どうしても今できてない部分を埋めに行く作業になってしまってしまうんですよね。でも、このFINd YOUr COMPASsでは、過去から歩んできた’’自分自身の道を全肯定して今に立てる’’、そんな感覚があります。
未来へ向かって前へ前へと進んでいくことは、一見正しい方法にも思えます。きっと多くの人が、これまで足りない部分を埋めながら生きてきたのではないでしょうか。
ひとみさんも、「今に立たないと未来は描けない。」と言っていた通り、未来へと進んでいく過程では、過去の自分の体験を振り返り、’’今の自分を見つめる’’ということがキーになりそうですね。
「今に立つことができる。」
「今の自分の行動指針を作ることで、’’今の私’’という’’今’’にしっかり足をつけられる」
そう強く語ってくれたひとみさん。
そんなひとみさんの’’今の私’’とはどのようなものなのでしょうか?
大地からの命のエネルギーを元気玉にかえることで世界のものさしを共に創りかえる
—— ひとみさんにとって、このステートメントはどんなものですか?私ひとりの力だけではどうにも世界は変えられなくて…。でも世界のものさしを変えたいんです。それはひとりひとりの可能性が世の中に放たれて、自由に動き出す世界のイメージなのですが、それって人にとっても社会にとっても本来は健全だと思うんです。
たとえば、私は森に通ずると思っているのですが、小さな植物も大きな植物も、だれかの為に生きているのではなく、ただ自分の命を全うし続けていますよね。それが森の生態系を作っているし、それぞれが良い影響を与えている。だから、森のような社会をつくりたいんです!
今の社会は様々な流れの中で今の形があり、それはそれで愛おしいし、否定をしたいわけではないと語ってくれたひとみさん。
それでも、この社会には’’苦しみ’’や’’痛み’’などの負の部分がどうしてもあり、もっと違うものさしで世界をはかれるように変えていきたいという願いがあるのだそう。
「大地からの命のエネルギーを元気玉にかえる」とは、ひとみさんが語ってくれたように、森の生態系からのエネルギーを自分自身のエネルギーに変えるということ。
そして、人それぞれが持つ力を活かしながら、共に世界を作っていきたいという意味で「世界のものさしを共に創りかえる」ということなのですね。
大きな循環の中に私がいる。対象のコアを大切にして繋いでいく
ひとみさんの行動指針を紐解いていくなかで見えたきたもの、それは、対象の’’コア’’を感じ取り、自分自身と重ね合わせることで他者と共に新たな世界を創造することです。
人と関わる中で、相手の人間性や能力などを見抜くというよりも、もっと奥深くにある’’本当の願いや喜び’’、’’心にある悲しみ’’など、その人の純粋なエネルギーを「観る」ことを自然と行っているというひとみさん。
その上で、「命を生きる」こと、それは人の命そのものである巡る状態を大切にし「感じる」ことで、つながりを見出しつなぎあわせながら他者と世界のものさしを「つくる」といった行動のサイクルが、まだ見ぬ世界を創造していくエネルギーとなっている。
そんなひとみさんは森が大好きで、「森に行かないとエネルギーがでない!笑」と言っていたほど。「自由になる」とは森で空っぽになること。森に行くことで感覚を解放させ、さらなる自分のエネルギーを循環させているそうです。
あらためて「森」とは?という問いに対して、ひとみさんはこう言います。
人間の縮図であり、社会の縮図であり、世界の縮図でもある
循環という巡りの流れを大切にしているひとみさんは、自分自身がその大きな循環の中に生かされているということを誰よりも実感し、体現しているのでしょう。
自分に何ができるのか?はたまた自分は必要ないのか?、人や世界とそんな風に関わることで、純粋にエネルギーが放たれる状態を大切にするひとみさんから見えてきたものは、まさに’’その人がその人を生きてほしい’’というひとみさんの願いそのものでした。
コントロールできないものによって人の価値が決まり、その場に置かれてしまう
人材会社で働くひとみさんは、この社会ではどうしても肩書き・条件マッチング・年齢などによって職の制限がでてしまうことに、人の本来のエネルギーを活かしきれていないと感じるのだとか。
自分の可能性は自分の内側に持っているし、出してもいいのにそれを出させない社会があって、そこに巡りの悪さを感じてしまう。
そう言葉にしたひとみさん。
その人のコントロールできないものによって人の価値が決まり、その場に置かれてしまうことがこの世の中には沢山あり、スキル・経験などの変えられないものごとで判断され、枠にはめられてしまう今の社会では、その人の命が循環していないのではないか?と感じるという。
それどころか、自分自身が自分の可能性や本来のエネルギーに気がついていなかったり、信じてなかったりということもあるのではないでしょうか。だからこそ、人は自分自身の本来の価値を知ることなくその枠にはまっていってしまうのかもしれません。
自分自身が繋がっていく感覚
FINd YOUr COMPASsのプログラムの1泊2日の中で、参加者同士と言葉を紡ぎ合いながら、自分からでてきた言葉の1つ1つを掘り下げられることによって、私にとっての「元気玉」とは何なのか?「ものさしを変える」とは何なのか?など、繰り返し’’自分に問いかけ、言葉に出す’’ことで、自分と繋がっていく感覚があります。
自分の行動指針を作る過程で感じた変化を、ひとみさんはそう語ります。
それは、もともと自分の中で繋がっている大事なエッセンスであるけど、つながりを見出せなかったり、普段つかめなかったりしていた部分が、言葉にすることで’’最初から繋がっていたということに気がつける’’ことが大きいのだとか。
たとえば、「働くこと」と「生きること(プライベート)」が分離してしまっている人は多くいて、そういった普段つながりを見出せない事柄でも、本当は全部どこかで繋がっている。
自分の中にある声を言葉にし、そこに気がつくことで、右脳と左脳の世界が統合されていくように、1つの大きな軸が見えてくるのかもしれませんね。
森のような組織・社会を作りたい
「今の社会は価値を決めるのは市場であり、自分自身が自分の価値を決めることができにくいシステムになっている。」
ひとみさんは、一人ひとりの想いとはかけ離れたところで大きな社会のシステムが回っていることが、苦しさを生み出しているのではないかと感じているそうです。
そんなひとみさんには、「森のような組織・社会を作っていきたい」という願いがあります。それは、その人がその人の選択で人生を歩んでいける社会とも言えるでしょう。
大きい木があるから森が成り立っているのではなく、そこには小さなアリや蜘蛛、花だってあり、すべてのものがそこにある状態として存在しているから成り立っていますよね。でも今の日本の社会では、何かパワーのあるものに服従していくといったピラミッド型の組織となっていて、それを変えていきたいんです。
でも、それをひとりで作り上げていくことが難しいからこそ、自分と関わってくれる人や協力してくれる人と作っていくことが大切で、自分の願っている世界を’’人に表現していくこと’’をやっていく必要があります。
「結局のところ’’私を生きる’’を追求することに行き着く。」そう語ってくれたひとみさんは、自分のやっていることを’’どのように表現していくのか?を統合していくために、マイコンパスを活かしていきたいと言います。
まとめ
ひとみさんのステートメントや言葉を深掘りして改めて感じたことは、自分のコアな部分や人のコアな部分を丁寧に見ることで自分や他者と繋がれるということ、そして、私たちは大きな流れの循環の中で生きているということです。
「過去の選択が1つでも違っていたら私は今はこの場にいない」
「大きな過去からの流れの中に今があり、今の連続が未来につながっていく」
とひとみさんも語ってくれたように、今の繰り返しが未来を作っているということに意識ができると、’’今自分が何をするのか?’’の重要性がわかります。
一見、繋がっていないように見える皆さんの行動も、本当はどこかで繋がっていています。人生のあらゆる場面で選択してきたその背景には、必ず自分なりの行動指針があるのです。
まずは、これまでどんな価値観を大切にして生きてきたのか、自分の過去を振り返ることから始めてみてください。
この記事を読んでくださったあなたが、本来の自分に戻り、幸せに生きられるよう願っています。
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